定数削減に異論

 衆院議長の諮問機関「衆院選挙制度に関する調査会」(座長=佐々木毅・元東大学長)が昨年12月にまとめた、衆院定数を現行の475(小選挙区295、比例選180)から10(小選挙区6、比例選4)削減する答申原案に対し、自民党内で反対する声が強まっているそうです。

 定数削減と、そして再三裁判でも違憲状態が指摘されている「1票の格差」問題を是正するのが目的ですが、当然定数が減る地元議員にとっては死活問題。特に削減される県に党所属議員が多いと、比例して異論も強くなります。しかし、最高裁判所は昨年11月、選挙区間の「1票の格差」が最大で2・13倍だった2014年衆院選について「違憲状態」との判断を示しており、安倍首相(党総裁)もこれまで答申に従う意向を明言してきたため、発言との整合性も問われそうです。

 5日に衆院議長公邸で党選挙制度改革問題統括本部長の細田博之幹事長代行や谷垣幹事長らと会談した大島衆議院議長は、「調査会の答申を尊重すべきだ」との考えを伝えましたが、党執行部側は「党内に慎重論がある」などと明確な回答は避けたと言うことです。

 答申原案では都道府県ごとの小選挙区の議席配分は、従来の方式より人口比を反映させる「アダムズ方式」を採用。東京、埼玉など1都4県で選挙区数が増え、青森、岩手、宮城など13県で各1減する「7増13減」となります。これにより、都道府県間の最大格差は1・621倍に縮小しますが、それでも違憲状態解消には不十分な数字です。しかし、それさえ地元議員の反対で見通しは不透明な状態です。